Welcome to the desert of the real.

visible, audible, tangible and simulacre....

SFとイメージの関係(1)

新しい分野のシリーズ化。

SF、特にフィリップ・K・ディックが好きなので、彼の著書を中心にメモしていきます。

因みに僕なりの良いSFの基準は、既存のものの見方からの転換の度合いの高さです。その面でFKDは僕のヒーローといえます。

なのでもしかしたらタイトルは「SFとイメージの関係」というよりも「FKDとイメージの関係」とした方が良いかもしれませんが、ごく稀に他の作家も読みますので、その時の為にバッファを持たせておきたいと思います。

さて、いつもの感じて。

あれがここの原住民だ」ノリスがいった。「この惑星の住民だ。彼らはこの大気を呼吸し、ここの水を飲み、植物を食べることができる。われわれには出来ない。彼らはここで暮らし、ひとつの社会を気づいていける」<<(引用)短編集「トータル・リコール」内の「訪問者 P178」>>

ある核戦争の後、生物間の全てのレベルに超ハイスピードで降りかかった突然変異。生物のヒエラルキーが完全に変化してしまった世界。かつての人間はその地球では機械的補助がなければ生きることが出来ない世界。

そんな世界では私たち旧人類は完全なよそ者であり、訪問者です。これまでの地球に対する関わり方が転換されます。主体と客体の逆転です

”この現実世界を客体の視点でイメージ化してみよ”、とFKDはいつもリマインドしてくれるのであります。